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電波法に抵触又は問題ないですか?
はい、問題ありません。
★電波法判断のポイント★
以下の条件が該当する場合、電波法の規制対象となる可能性があります。
① 高周波(RF)エネルギーを使用してレーザーを生成している
② 装置から電波が漏洩し、他の無線通信に妨害を及ぼすリスクがある
① 高周波(RF)エネルギーを使用してレーザーを生成している?
→いいえ、ファイバーレーザーは、活性媒質として光ファイバーを使用し、誘導放出によってコヒーレントなレーザー光を生成する装置です。
② 装置から電波が漏洩し、他の無線通信に妨害を及ぼすリスクがある?
→ファイバーレーザーは通常、電波漏洩がなく、無線機に干渉することもありません。
1.ファイバーレーザーがRFエネルギーを発生しない理由
光ファイバー媒質に希土類をドープして光励起する「誘導放出」によって出力されるのは光のみであり、RF(無線)信号やマイクロ波は生成されません。
また、光ファイバーそのものは電気を含まないガラス材料で構成されており、EMI(電磁干渉)を通しません。これは光通信が銅線などと比べてノイズに強い最大の理由です。
2.EMIリスクは装置の電源・制御回路由来のみ
発振器・電子部品(レーザーダイオード、制御回路など)ではスイッチング電源や高速信号が使われるため、これらからEMIが漏れる可能性があります。
日本の規格「JIS B 9960-1」「JIS C6802」では、ファイバーレーザー加工機の設計・製造段階でシールド・接地・フィルター・ノイズ対策などのEMC(電磁両立性)対策が義務付けられています。
ファイバーレーザー光自体からRF漏洩することはありえず、光信号は光ファイバー内に封じ込められます。
EMIリスク源となるのは、「光以外の電力・制御電子回路部分」に限られ、その部分について設計・製造段階で十分なEMC対策が講じられていれば、無線通信などへの干渉リスクは実質ゼロに近づきます。
国内外の安全・設計規格はこの点を厳しく定めており、適合済みファイバーレーザー装置であれば、無線機への影響は実質的に無視できると判断して差し支えありません。